⒈肥満とは、脂肪組織が過度に蓄積した状態を示す。

　＊各種の算定法から得られる標準体重とから算出される肥満度が+10%～+20%は肥満傾向、+20%以上では肥満となる。

肥満症：肥満による健康障害を有する場合、及び健康障害の危険性が高いと考えられる場合。

2.標準体重の算出

①日本肥満学会：身長㎡X22

　＊BMI値22が理想値とされている

　＊日本肥満学会の「肥満の判定」基準

BMI：体重(kg)／身長㎡=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

　18.5未満：やせ

　18.5以上25未満：正常

　25以上30未満：肥満(1度)

　30以上35未満：肥満(2度)

　35以上40未満：肥満(3度)

　40以上45未満：肥満(4度)

3.分類

　1）単純性肥満

カロリーの摂取過剰

肥満者の大部分を占める

　2）症候性肥満

内分泌疾患によるものが多い

①クッシング症候群

　例）副腎腫瘍など

中心性肥満(体幹部が肥満し四肢が細くなる)、水牛様脂肪沈着、満月様顔貌などの症状を呈する

②甲状腺機能低下症

　例）粘液水腫

③インスリノーマ

　インスリン分泌過剰

④フレーリッヒ症候群

　性器発育不全などを伴う

　ローレンス・ムーン・ビードル症候群

　知的障害、性腺機能低下症などを伴う

⑤脳腫瘍

　例）下垂体腺腫など

【東洋医学的な考え方】

＊関連する臓腑：脾·胃

脾は運化を主る

脾の運化機能が失調して、痰湿が生じ筋肉に停滞する。

胃熱(胃火)により食欲が亢進する

①気虚：飲食不節や労倦で脾気虚となる

②痰湿：甘い物や油っこい物の偏食などを原因とする。

【当院の肥満症の鍼灸治療】

適応：単純性肥満

全身の代謝促進、減量と運動が中心となる

経穴：中脘、天枢、関元、脾兪、曲池、足三里、豊隆、三陰交

＊耳鍼：肺、大腸、飢点、胃、神門、内分泌

＊併用する治療法：

食事療法、運動療法、行動療法