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腰部脊柱管狭窄症の鍼灸治療

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管の横断面積が狭くなり、馬尾神経または神経根圧迫症状をきたす疾患の総称。先天性に狭窄を起こしやすい形態に、後天性の変形性脊椎症、脊椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニア、外傷、手術などが加わり発症するケースが多い。

40歳以上の男性に好発。両側性、多椎間が多い。

 

【症状】

⚫︎腰痛、下肢のしびれ感·冷感·疼痛·違和感などの知覚障害(L5、S1領域に多い)

⚫︎2~3の神経根にかけて両側性に症状が出現することが多い

⚫︎間欠性跛行⇨前屈位で休息する事で症状が消失

⚫︎伸展(後屈)制限、ケンプ徴候陽性。ATR・PTRは80%以上で消失

⚫︎馬尾神経症状として、両下肢・臀部・会陰部のしびれ感・灼熱感、下肢の筋力低下と脱力感、残尿感·尿意頻数·尿失禁、便秘、EDなど

※下肢の血流障害は出現しない

【現代医学における治療】

①保存療法:装具、薬物療法、硬膜外ブロック、選択的神経ブロック

②観血的治療:除圧術、必要に応じて脊椎固定術

【予後】

神経根症状は自然寛解傾向があるが、馬尾神経にはない。

 【東洋医学的な考え方】

1.原因別分類

1)急性タイプ···気血阻滞による腰痛

運動の不注意により腰部の経脈·経筋が損傷し気血阻滞の為、急性腰痛が起こる。挙上時などの不注意により突然起こる。局所の著明な圧痛、筋緊張、運動制限。

2)慢性タイプ

①寒湿による腰痛

寒湿の停滞により腰部の経絡気血の流れが悪くなると起こる。

腰下肢が冷えて痛み、重だるさを伴う。寒冷や気候の変化により増強。

少し動くと軽減し、静止時間が長いと強ばる。舌苔白腻、脈沈滑または沈遅。

太陽型:下腿後部に放散痛、少陽型:下腿外側に放散痛

②腎虚による腰痛(「腰は腎の府」腰は腎の精気が注ぐところ)

全身虚弱症状が著明。慢性的な腰下肢のだるさ・無力感・鈍痛。疲労で増強、横になると軽減。脈沈細弱。

【当院の腰痛症の鍼灸治療】

共通方針:「補虚瀉実」の原則に基づく。

1)急性タイプ「気血阻滞による腰痛」

経脈の通りを良くし、気血の運行を改善する。足太陽膀胱経穴、阿是穴。鍼にて瀉法。

経穴:腎兪、委中、環跳、大腸兪、阿是穴

2)慢性タイプ「寒湿による腰痛」

陽気を強め寒湿の除去、経脈の流れを良くして気血の運行改善。主に足太陽膀胱経穴。鍼灸併用。

経穴:腎兪、大腸兪、環跳、委中、崑崙、風市、陽陵泉

「腎虚による腰痛」

腎を補い、経絡気血の運行を改善する。

主に足太陽膀胱経穴·足少陰腎経穴。鍼にて補法。

経穴:大腸兪、環跳、委中、腎兪、太渓

 

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